ΛVモデルの概要

 前節の意味/行為/感覚の三角形に、ソフトウェアの要求とテスト(実行の反応)を当てはめてみることにします。すなわち、Sは意味(Semantics)、Rは要求(Requirements)、Tはテスト(Test)を表わしています。V字に対峙して、Λ字モデルとでも言えるでしょう。
 
 Λ字モデルでは、人工物としてのソフトウェアが実行することによる、認識の変化・修正を扱うことができます。(TはTestというよりTrackやTraceのTとした方がよいかもしれません。)
 
 第Ⅰ節のV字モデルと統合すると、以下のようになります。
 
 これがΛVモデルです。

(1) そもそもRなんて判らない(語れない)かもしれない。
(2) でもRを満たすIを作る(既にあるものかもしれない)
     「実行」できるのはIだけ。
(3) だからIを実行させてTをやる。
     IがRを満たしていない場合には、Iの実現方法に誤りがあることになる。
     (これは、従来の伝統的な内部テストの問題)
(4) Tという作用を受けて<S意味(認識)が変わってR(要求)が変わる>ことがある。
「想い」を発する根元であるS(意味:これは語り得ないものです)があって、これに基づいてR(要求:これは一般的にはある程度語ることができます)が発せられ、T(テストや運用)からフィードバックを得て、Sが修正され、新しいRが出るといったプロセスを繰り返す。

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